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ソリッドタイ・無地ネクタイの種類について詳しく解説

ソリッドタイとは、単純に柄の無い無地のネクタイのことを指しますが、同じの色だけを使って織られたネクタイもソリッドタイと呼ばれています。

ソリッドタイ(無地ネクタイ)は、どのような色柄のスーツやシャツにも合わせやすく、日ごろの着こなしには欠かすことのできない必須アイテムになります。そんなネクタイの定番であるソリッドタイ(無地ネクタイ)を数多くお持ちになっている人も少なくないでしょう。でも、「無地は無地でも、よく見てみると様々な織柄があるよね」と感じたことはないでしょうか。

織物には三原組織というものがあります。「平織り」「綾織り」「朱子織り」の三つを「織物の三原組織」といい、すべての織物はこの三原組織を変化させて作られています。

今回はソリッドタイ(無地ネクタイ)によく使われるいろいろな織組織について説明します。

「レップ」

畳のような畝(うね)の筋が特徴で平織りを応用した織組織になります。レジメンタルストライプによく使われる織組織で「レジメン」「陣目(ジンメ、古くは地埋と書くこともある)」「畳地」などと呼ばれたりします。ネクタイの業界では平織りでなくとも見た目でこのような畝のある組織を「レップ」と呼びます。

また、素材によっていろいろな言い方をされる場合があり「ポプリン」「オットマン」「モガドール」「アトキンソン」などがそれにあたります。

レップはいろいろな畝の大きさを作ることができます。弊社では畝一つあたりのタテ糸の数によって「12レップ」「16レップ」と呼んでおります。

12レップは一つの畝の大きさが約1.2mmでその間にあるタテ糸の数は12本、16レップは大きさが約1.6mmタテ糸の数は16本になっています。

「綾織」

タテ糸の浮き沈み(ヨコ糸の浮き沈み)を階段状に繰り返すことによって斜めにライン(綾目)が出る組織で斜紋織とも言います。三原組織の中では朱子織りに次いで光沢のある織物になります。タテ糸とヨコ糸の密度を同じくして、生地の表面に斜め45度のラインがでる綾組織を「正則アヤ」といい最も美しいとされており、ネクタイに仕立てたときには縦や真横にラインが出ます。この「正則アヤ」が最も美しいとされていますが、弊社ではタテヨコの糸密度を同じにはせずに、表面は正則アヤの見え方にして裏面にヨコ糸を多く入れることで持った時や、ネクタイを締めたときの質感などが良くなるように工夫をしております。

「バスケット」

見た目が籠の目のような凹凸感があることから「バスケット」と呼ばれており、タテ糸とヨコ糸数本ずつを平織りにしたものです。この織組織を織物業界では「斜子(ななこ)」と呼ぶこともあります。また、大きな織組織の場合は「綾織」「朱子織」と組み合わせて応用したものも多くあります。この「バスケット」はタテ糸とヨコ糸の両方が多く表面に出る織物で、見る角度によって見え方が変わります。この見せ方をいろいろと工夫することで他の織組織に比べて立体感や豊かな質感を表現することができます。

「朱子織」

サテンとも呼ばれ、三元組織の中で最もやわらかく光沢のある織物です。経糸と緯糸の交差する点(組織点)が少なく、片方の糸が浮いている状態が多い織組織です。そのため擦れなどに弱く、引っ掛かりやすいなどという弱点がありますが、組織点が少ないためにネクタイの織機の場合はヨコ糸の密度をかなり多くすることができます。そうすることで抜群の光沢と高級な質感を出すことができます。

「ウール素材」

オールシーズン着用可能なクリアカットなウール生地。シルク素材に比べて、コシがあり独特の艶感が特徴的で耐久性やしわの回復力にも優れています。ネクタイにしたときには、シルク生地では表現できないウール素材特有の優しい艶感と柔らかな締め心地になります。

 

まとめ

いろいろな組織のソリッドタイ(無地ネクタイ)をご紹介させていただきました。いかがだったでしょうか。
同じソリッドタイ(無地ネクタイ)でも織柄や素材によって人に与える印象は変わってきます。手に持った時の触り心地やネクタイを締めた時の締め心地など人それぞれ好みも分かれるのではないでしょうか。
ソリッドタイ(無地ネクタイ)は、スーツ・シャツ・ネクタイのコーディネイトをする時に、柄数を抑えてすっきりとスマートに魅せるための必修アイテムなります。「何かと使いやすいソリッドタイ・無地ネクタイ」ご自身の好みの色・柄でコーディネイトの幅を広げていきましょう!